むかし,大宝城
ある日,三吉は近くの村に用を足しに行ったのですが,帰りがおそくなったので近道をして家路を急ぎました。前山の土塁のそばにさしかかると,たぬきかきつねのような正体不明のものが三吉の前を横切りました。三吉はおどろいて,急いで家に帰り食事もせずに寝てしまいました。
目が覚めた三吉は,「コンコン」ときつねのそぶりをするようになりました。家の人が「三吉はきつねがとりついたようだが,どこのきつねか。」とたずねると,「前山のきつねだ。」と答えました。
家の人は心配して,前山の土塁の一角に
これ以後,村人は,三吉のような病にはかかりたくないと話し,祠を改修し,初午の日に祭りを行いました。
それから,誰いうことなくこの稲荷様を「三吉稲荷」といい,前山を「三吉山」とよぶようになったといわれています。これは下妻市大宝地区に伝わる話です。