下妻市立高道祖小学校
下妻市高道祖 2638-1
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乳草ヶ池

乳草々池があった場所

伝説によりますと,天正2年(1574年)2月落人おちうど(いくさに負けてにげている人)となった小田15代の城主小田氏治おだうじはるに,うらみもっていたという赤ちゃんをつれた女性が,ある日だいぶ疲れきったような姿で,とぼとぼとこの池のあたりへ来て,力なくこしをおろしました。そして,首をうなだれてしばらく何か考えている様子でしたが,しまいには苦しさにたえられなかったせいか,赤ちゃんを残して,自殺してしまったといいます。

そのすぐ後,何も知らずにある人が用事があってこの山林へやって来ました。すると,すく近くに赤ちゃんの泣き声が聞こえたので,たいへん不思議に思いながら近よってみると,池のそばにお母さんらしい人がたおれていました。そのわきの草むらの中には赤ちゃんがねていて,かわいそうにも小さな手をふり,足を動かしながらしきりに泣きさけんでいました。

あまりに意外なできごとにその男はびっくりぎょうてんしてしまいました。しばらくしてからその男は,落ちついてきておなかをへらして泣いている赤ちゃんを見ていると,かわいそうになってこの赤ちゃんを家まで連れて帰りました。さっそくさきほどあったできごとを,家のみんなに話して聞かせたところ,みんなも同情して,相談の結果この子を家で育てることに決めました。

すぐにお乳(ミルク)もらってきたり,おもゆ(お米をたくさんの水でにて作ったもので,病人や赤ちゃんに飲ませてもの)を飲ませたりしているうちに4,5日は過ぎてしまいました。

するとちょうどこの日ごろから,赤ちゃんを拾いあげて来た人が,あてどもなく山林に向かって草かりに行きました。そして,いつの間にか赤ちゃんを拾った方へ向かい,池のまわりの草をかり始めました。

ところが,偶然にも草のかり口からは,まるで乳のような白いしるが出てきました。不思議に思ってにおいをかいでみましたが,別だん何のにおいもなかったので,そのしるをなめてみたところ,にがくもからくもなく,人の乳ににてる味さえしました。

そこで,赤ちゃんに飲ませても毒にはなるまいと思って,さっそくかった草を持ち帰ってそれからしるをとり,この赤ちゃんに飲ませました。するとが赤ちゃんは一生懸命すするので,男はとても喜んで,その後には毎日のようにこの池のあたりに行って草をかりとってきてはしるをとり,赤ちゃんに与えつつ一家協力して育てあげたというのです。

よって,それ以来この池を乳草ヶ池ちぐさがいけとよぶようになりました。

乳草ヶ池は,今は埋められ,なくなってしまいました。写真は,池があったと伝えられる場所です。